コラーゲンとヒアルロン酸、どちらもよく聞くお肌に大切な成分。結局飲むならどっち？お肌にどんな作用があるの？ということについて説明していきます。
肌に存在するコラーゲンとヒアルロン酸について
皮膚は表皮、真皮、皮下組織からなっており、コラーゲンやヒアルロン酸は真皮に存在します。
コラーゲンは真皮で橋のように土台となってお肌を支え、弾力やハリを出しています。また、このコラーゲンの間の基質にヒアルロン酸が存在し、コラーゲンの間を満たしています。
口から摂取したコラーゲンやヒアルロン酸はお肌にいくのか？
よく、コラーゲンやヒアルロン酸を食べてお肌がプルプルになったということが言われますが、本当でしょうか。実は、口からコラーゲンやヒアルロン酸を摂取しても直接お肌のコラーゲンやヒアルロン酸が増えるわけではありません。では、口から摂取したコラーゲンやヒアルロン酸はどのような経過をたどり、体内でどのような働きをするのでしょうか？
〇コラーゲンを摂取すると・・・
コラーゲンはゼラチンと同じ原料からできているタンパク質です。動物の体内にあるコラーゲンはもともと三重らせん構造をした繊維状のタンパク質なのですが、そこに熱を加えると、三重らせん状のコラーゲン分子がほぐれ、分子同士のつながりが切れ、一本ずつの糸がばらばらに丸まったような形に変化します。これがゼラチンです。そしてこのゼラチンをさらに分解し、分子を細かくしたのが美容や健康目的でよく取り入れられているコラーゲンペプチドなのです。これらのタンパク質は体内でアミノ酸に分解され、吸収されます。よってコラーゲンやゼラチンを摂取してもそのままお肌のコラーゲンが増えるわけではないのです。
ただし、タンパク質はお肌や髪の毛、筋肉など人の体を構成するものなので、お肌に全く関係ないわけではありません。お肌のもととなるタンパク質の摂取が少なくなると肌荒れを起こしたり肌代謝がきちんと行われませんのでしっかり摂取しましょう。食物から摂取するのもいいですし、コラーゲンドリンクなどはコラーゲンペプチドという体に吸収しやすい状態になっていますので、サプリメントを補助的に使うのもよいでしょう。
また、分解されたアミノ酸から体内でコラーゲンを再構築することができます。それにはリジン（必須アミノ酸）、プロリン（非必須アミノ酸）、ビタミンCなどを一緒に摂取する必要があります。ですがコラーゲンペプチドに対してリジンやプロリンなどをどのくらい摂取したらよいかなどは詳しく分かっておりませんので、お肌のハリを格段にアップさせるというところまでは難しいかもしれません。
〇ヒアルロン酸を摂取すると・・・
ヒアルロン酸は、グルクロン酸とN-アセチルグルコサミンが交互に2000～5000組、鎖状につながった高分子化合物です。皮膚、腱、軟骨、血管などの組織中に広く分布しており、 関節では骨の間の潤滑作用を担っています。コラーゲンと違うことは、単なる構造材料ではなく、細胞の成長や移動に重要な役割を果たしていることです。
ヒアルロン酸を口から摂取するとブドウ糖とアミノ酸に分解され、体内へ吸収されます。そのためそのまま皮膚内に移行しお肌をぷるぷるにしてくれるという効果については疑問視されています。しかし、ヒトにおいて１日１２０ｍｇ以上のヒアルロン酸を経口摂取することで肌のかさつきの改善や弾力性のアップ、シワの改善がみられたという実験データもあります。これについてはどういった作用機序でこのような効果が得られるのか、まだ未解明な部分が多いのですがヒアルロン酸の分解物または代謝物が皮膚に移行し、利用されているのではと考えられています。
化粧品に配合されているコラーゲンやヒアルロン酸について
コラーゲンやヒアルロン酸は肌に塗ってもサプリメント同様、そのまま皮膚内に移行するものではありません。化粧品に配合されている目的は保湿剤として使用されています。特にヒアルロン酸は１ｇにつき２～６リットルもの水分を保持できると言われており、高い保水性を持っています。コラーゲン、ヒアルロン酸ともに皮膚の表皮（角質層）においての保湿効果は期待できますが、真皮内へのアプローチはできません。
美容と言えばよく聞くコラーゲンとヒアルロン酸についてまとめてみました。
簡単にまとめると乾燥肌が気になる人はヒアルロン酸を飲んで塗る、普段の食生活でタンパク質が少ない人はコラーゲンドリンクを飲む、という感じでしょうか。それぞれの働きを知って選んで頂ければと思います。
